土井敏邦監督 映画「私を生きる」への疑問 その1

新年のご挨拶を勝手にパス、日記を怠け続けて2か月になろうとしています。「毎日書く」と決意したのに、意志の弱さが恥ずかしいです。一応元気でしたが、年末に大腸ポリープ切除のため、6日間入院していました。退院後も食事に気をつけねばならず、ちょっと大変でした。切除したころが傷になっているので、かざぶたがとれて傷が治るまでは普通の食事ができないのです。
お正月はそんなことであっという間に過ぎてしまいました。

書きたいことは山ほどあるのに、なかなか取りかかれませんでした。
今日は、今、いちばん気になっていることをお伝えします。

「私を生きる」というドキュメンタリー映画についてです。この映画は、都教委の「『日の丸・君が代』の強制」に従わないで処分された根津公子さんと、ピアノ伴奏を断った佐藤美和子さん、都教委の指導「職員会議の採決禁止」に異議を唱えた都立三鷹高校の校長土肥信雄さんの3人を取りあげています。

疑問1は「事実を映し出さない映画を『ドキュメンタリー』と名付けていいのか。」と言うことです。
これは土肥校長の部分について言っているのであって、他の2人の方は、「君が代・日の丸」の強制に対し、本当に都教委と闘ったのですから疑問を持つことは全くありません。
 私の土肥校長への疑問は2つあります。

 ①「職員会議採決禁止」について土肥校長は都教委に異を唱えたものの、結局は従い採決をしませんでした。校長の権限をもってすれば、採決できたのです。都教委は校長に命ずることはできないのですから。しかし、土肥校長は、マスコミを使って都教委に「公開討論」を呼びかけました。それは新聞・テレビ等で大々的に報道され、土肥校長は「都教委に抵抗した人」として有名になりました。

②「『日の丸・君が代』について立てよ歌えよ」と職務命令を発出。
土肥校長は都教委の言うとおり、教職員に職務命令を出し、事故報告書を書いて教員を一人懲戒処分させました。
都教委に抵抗などしていないのです。職務命令は校長の権限で出すのですから、教員処分も承知の上です。ここで、土肥校長が職務命令を出さなかったら、「都教委に抵抗したたった一人の校長」として称賛されていいのです。
どうして他の2人と同列に並んで映画の主人公になっていられるのか分かりません。

さて私の疑問は、「この映画が土肥校長が職員会議の採決をしなかったこと」及び「『日の君』の職務命令を出したことを伏せているところにあります。物事を正確に伝える、ウソは入れないのがドキュメンタリー映画の筈です。伏せてあるため、見る人が土肥校長という人を間違えて認識してはいけないのではないでしょうか。現にこれまで「『日の君』反対集会」で土肥校長を講師に招くという喜劇が起きています。事実を伏せて間違いやすい映画を作るのは罪な話です。

土肥校長は退職の際、再雇用拒否されました。彼は都教委に全部したがった。「法令遵守したのになぜなのか」と土肥校長は不満を述べています。

「職員会議の裁決を行った(本当は行わなかった)り、職務命令を出さなかった(本当は出した)ということで再雇用拒否されたのではない」ということは、私たちは知っておかねばなりません。

明日(30日)は、その裁判の地裁の判決が出ます。予想はつきません。   ではまた。