赤川次郎氏の投書「橋下氏、価値観押しつけるな」 ご紹介

今日は、作家赤川次郎氏の朝日新聞への投書を紹介します。
一般人と同じように投書されたとのこと、並々ならぬ氏の怒りが伝わり、大勢の人に呼んでほしいと思っています。

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朝日新聞「声」欄 4月12日>

「橋本氏、価値観押しつけるな」
 作家 赤川次郎(東京都港区 64)
 
 大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう?教師の
口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて「君が代」を歌えたはずがないのだ
から。
 それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視
する。何と醜悪な光景だろう!橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど
「密告の奨励」は独裁政治につきものである。
 府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補
助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」。舞台に座布団一枚あれば
いい落語と、装置をくみ、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常
識。客の数だけ比べるのはベートーヴェンとAKB
を同列にするのと同じだ。
 文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観
を押し付けるのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
 過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来をタクするのは、地図もガイドもな
く初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、他のすべての人々を道
連れにするということである。

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この「口元監視」をした和泉高校の中原徹校長は、民間人校長で、弁護士で、橋下徹氏の学生時代の友人ということです。
41歳。若いですね。教育について学習したことはおそらくないでしょうし、何でも上意下達で命令すればいいと考えているンでしょうね。教育の世界から最も遠い人間です。(東京でも町田市が「児童・生徒の声量調査」をして問題になりました。)
弁護士なのに人権意識がまるでないのも驚きです。司法修習に欠陥があるのではないかとおもわれてきます。この校長、橋下氏、思想調査のアンケートを作成した野村修也氏など、弁護士が基本的人権を踏みにじって平気なんですから。(でも、石原都知事はこの中原校長を招いて円卓会議を開いたのですよ。似たもの同士なのかな?)

敗戦でやっと日本人が手に入れた大切な権利を、いとも簡単に足蹴にする、独裁を掲げる……こんなことを通させてはいけない、抗議の声を挙げなければならない、でないと、この、人間として持って生まれた大切な権利がいつの間にかなくなっている……そんな日が来るような気がするのです。
赤川さんのように、私も機会を捉えて発言していこうと思います。