都教委の「実教教科書排除」の何が問題かー乙武氏の意見は?−

 皆様、私が東京都教育委員会の何を問題にしているか、お話しします。

 教科書は、発行する前に文科省から厳しくチェックされます。そして検定官(氏名公表せず)からクレームが付くと、直さねばなりません。検定官からOKが出るまで直さないと、不合格になり、教科書発行はポツになります。ですから、編集者は、それがどんなに不本意であっても直さねばなりません。不合格は、発行元が莫大な損害を受けることになるからです。
結局、文科省は検定に従うよう強いていることになります。

 今回は、その厳しい検定を通った歴史教科書に東京都教育委員会が。「採択しないという議決」をしたことが問題なのです。

 教育委員が国が認めた教科書を「気に入らない」といって排除する権限はありません。彼らは自分の役割をはき違えています。そもそも教育委員会に採択の権限があるのかどうかにも疑問があります。

 教育委員らは全員がこの議決に賛成しました。どれだけの見識があるのでしょう。
 「君が代・日の丸」は強制しないと国会で決議しているのに、東京都教育委員会が教職員に強制し、従わない者を懲戒処分しているのが妥当なんですか。
 乙武さんは、権利の主張をよくされますが、この件では多数の生徒が先生の選びたかった教科書で教育を受ける権利を侵害されているのです。教える側も教育する権利を侵害されています。新任の2人の方は、何を目指して教育委員に就任されたのでしょう。伺いたいところです。

 国の検定合格した教科書に勝手な言い掛かりをつけて権力で排除するのは、無法者のすることです。
                                              これにて。