家永教科書訴訟の記事が出てきました。

戸棚を整理委していたら1997年8月30日の朝日新聞が出てきた。第三次家永訴訟の最高裁判決を報じるものだった。「731部隊」の検定も違法、四カ所の違法確定、制度自体は合憲、という見出しである。そして最高裁は文部大臣が「731部隊」の原稿記述に違法な修正意見を付したことによる精神的苦痛に対し慰謝料の支払いを命じていた。
私は、この日、最高裁の前で家永先生を見送り、判決を待っていたことを思い出した。32年闘い続けて先生は83歳になっていた。争点の「南京大虐殺」や「731部隊」などは日本の負の歴史に関するもので、取り下げを迫る脅迫状が届いた。それでも闘ってきたのは「精神的自由の侵害を訴える」ためであり、「戦時中に傍観者でいたことに不作為の戦争責任を感じていた」ためでもあったと家永先生は話されたという。(私は約30年間、家永教科書訴訟を支援する会に入って支援してきた。健康が優れないと聞いてお見舞いに健康食品を差し上げたところ、丁重な礼状をいただいたことがある。)
家永先生の談話の中に「教科書検定が違法を含むものだということを、最高裁が認めたことになり決して軽視できない。」という一文があった。私たちは今この言葉を銘記しなければならないと思う。

 私を虚偽情報で陥れた千川中校長中神嘉治は、文化祭で生徒が作成した掲示物「南京大虐殺」を偏向していると否定した。そして指導教師に「教師は、事実を事実として教えることはできない」と言ったのである。私はこのことで中神に抗議行動を起こしたひとりだった。
今、私が法廷で中神と闘っているのは、この件に関する思想差別である。中神は、生徒作成の掲示物に教科書検定について触れているのが気に入らなかったらしい。「精神的自由」は認めないのである。これについては別の日に後述するが、憲法を理解しないこういう校長が、教育をゆがめているのが現在の教育状況である。