愛川欽也パックイン・ジャーナルの「土肥校長についての説明」はなぜ間違えたのか?ー映画「私を生きる」との関連ー

2月4日.朝日ニュースターの《愛川欽也パックイン・ジャーナル」で「リベラル元都立高校長 地裁で敗訴」というタイトルで土肥校長を取り上げました。教育問題はこれまでほとんど取り上げなかったのでどんな中身になるかとても期待したのですけれど失望しました。
まず、横尾氏が「土肥校長は都教委の職員会議の採決禁止に反対し、現場ではそのように民主的にやっていた。しかし、退職の際、非常勤講師に採用されなかった。」と簡単に説明しました。この事件も裁判も初耳の方が多くて「えっ、どうして採決しちゃいけないの?、」と驚きの声を発する人がいて、東京の教育現場の深刻な状況は、一般の人には 分かっていない、苦しんでいるのは教師だけかと寂しい気持ちになりました。
さて、話を元に戻すと、横尾氏の説明はまちがっているのです。お気づきのことと思いますが、土肥校長は採決禁止に異を唱えたものの、都教委に従って採決はしていないのです。どうして横尾氏は間違えたのでしょうか。それは、多分正確な情報収集をしていないからでしょう。確かに裁判報道にはそのことに触れていないので、横尾氏のように《土肥校長は都教委に従わず採決をしたから再雇用されなかった》と思い込むのも無理からぬ話かもしれません。しかし、ジャーナリストである以上、綿密な調査を望みます。
もう一つ指摘せねばなりません。 早野透氏は映画「私を生きる」を学生と一緒にみたということで、土肥校長のすばらしさを感に堪えぬように次々に紹介されました。しかし、「日の丸・君が代」強制のため、教員を弾圧したことをご存じでこんなに褒めちぎるのでしょうか。映画で伏せられていますが、職務命令を出して従わなかった教師を懲戒処分させています。
私は安易な気持ちで教育を語ってほしくない。500万以上の世帯が見ている番組ですから影響も大きいし、何よりも真実をないがしろにしないでもらいたいとと思うのです。「君が代旋風」が吹き荒れている中、それでは土肥校長はどいう態度だったのかは誰でも知りたいこと。それ抜きではどういう「私を生き」たか語れないでしょう。弛緩したものを感じてなりません。
                                  では、これにて。

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