大津中2自殺の学校は道徳教育推進校で「いじめ」にとりくんでいたという不思議。

報道によると、この中学校は09年〜10年にかけて文科省の「道徳教育実践研究事業」推進校に指定され先進的な取り組みをしていたはずなのだそうです。
授業のねらいとして、例えば「見て見ぬふりをする消極的姿勢を憎み、いじめや不正を許さぬ心を行動で表す実践意欲を培う(1年)」に取り組んています。
そして2年間の成果を「子ども達の心に響く道徳の時間になり、一人一人が自己肯定感、自尊感情を高め、『共に生きようとする心』の和が広がった(要約)」と報告しています。
その上「推進校」の指定が終わった12年度もウェブサイトに
「ストップいじめアクションプラン」という文書を掲載、、
「いじめをしない、させない、見逃さない、許さない学校」とのスローガンを掲げているそうです。

ここで誰しもが疑問に思うのは、「それだけの研究、実践をしたのになぜイジメによる自殺者を出してしまったのか」でしょう。

その答えは一つ。「教師が本気でなかった」しかないと私はおもいます。

文科省にしろ、教育委員会にしろ、研究推進校とか研究協力校とかをやらせれば成果が上がると押しつけてきます。仕方なく誰かさんの花道を飾るためにそれを引き受けることもあります。
この学校では教師側のアクションとして
「早期発見早期対応(月1回のアンケート)」
「機会をとらえた適切な指導」
を挙げていますが全くなされていませんでした。研究のための研究だったのですから、「成果」は身につかず、本当に実践する気はなかったのです。
もし、この通り毎月アンケートをやっていたら被害は防げたかも知れません。憤りを感じます。これは校長の責任ですが何も感じていないでしょう。

もう一つ看過できないのは、アンケートの結果を、ごく一部の教師にしか知らさなかった点です。情報を共有し教師全体で取り組まねばならぬのに、そうしない。これは隠蔽するのが前提だからです。この学校の教師にどんなに優秀な人がいても全く知らされないように仕組まれていては何もできません。

実は、我が千川中も中神校長が腹心の教師と密かに事に当たっていたので、ほとんどの教師は校長から「事故」と聞いた以外に何も知らされていませんでした。
こんな風に、学校で起きたことは、学校関係者や区教委の都合のいいようにゆがめられて処理されることが多いのです。本当に情けない。大津の場合は子ども達の正義感で真実が解明されるようでそれだけはよかった。こんな大人を乗り越えて成長してほしいと切に望みます。
                では、これにて。