高裁要請と東京都の教育

 今日は「司法総行動」に参加し、高裁へ要請をしてきました。久しぶりに快晴でしたが、裁判所まで行くと、不当判決に怒って控訴した三里塚の方たちが大勢駆けつけていて騒然としていました。勿論私の属する東京争議団を初め「司法総行動」に参加のメンバーも集会やシュプレヒコールの活動を行い声を挙げました。今日の訴えを、裁判所、法務省労働委員会などが真剣に考えてほしいと心底思って、私は自分の裁判について要請してきました。その文面を次に紹介します。

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   平成26年(ネ)第47号 慰謝料請求事件
 控訴人 田畑 和子   被控訴人 東京都・中神嘉治
             2014年10月8日
  東京高等裁判所第五民事部
  大竹 たかし 裁判長殿 山本 剛史 裁判官殿 田中 寛明裁判官殿

     田畑先生の再雇用拒否の真相を究明する会
     代表 酒井 仁子
    真実に基づいた公正な判決を求める要請書
東京都豊島区立千川中学校教諭・田畑和子さんは、1995年度定年退職の際、都教委から異例の再雇用拒否を受けました。1998年3月、都教委を提訴、審理の過程で田畑さんを不採用にした理由は、全て中神校長の捏造だったことが判明しました。しかし、地裁は、田畑さんを「敗訴」させました。高裁は、幾つも拒否理由を修正したものの、勝訴には至りませんでした。

 二次訴訟は、一次訴訟で事実認定が曖昧だった拒否理由の虚偽ををハッキリさせるため中神校長を提訴しました。校長は、新しい陳述書を提出。それは、もともと虚偽だらけだった一次訴訟の陳述書を、更に虚偽を重ねて全面的に書き換えた上、作り話を追加したものでした。ところが、高裁は「中神校長の行為は『公権力の行使』であるから、たとえ陳述書の虚偽記載や偽証があったとしても、個人の責を問うことはできない」と判示し、またもや田畑さんを敗訴させました。

 田畑さんはひどく打ちのめされましたが、「人間の尊厳」を回復したいという思いで三次訴訟に踏み切りました。その内容の一つは、前述した二次訴訟の中神陳述書における名誉毀損(二件)で、「生徒の自殺隠蔽」と「学年編成の問題」です。前者は校長が生徒の「自殺」を「事故」であったと全生徒・職員に説明し、警察から「自殺」と聞いていた田畑さんが「本当の事を言うよう」求めたのに対し、思い込みで執拗な追及をしたと歪曲した文面を記載したもの、後者は田畑さんと同じ学年になることを他の教師らが涙を流したりして拒否したりしたので、校長が苦心して学年編成をした、などと、実際は前年度と学年のメンバーは変わらないのに、全くの作り話を記載したものです。

もう一つは、思想差別で、二次訴訟で発覚した、文化祭における南京大虐殺を扱った生徒の展示物が「露骨に左翼的」であり、それを使って教職員組合が教員を戦争認識論争に巻き込もうとしたとして組合役員であった田畑さんを名指しした中神校長提出の区教委への虚偽報告書によるものです。

 校長は、こうして田畑さんを陥れるため多くの虚偽を作り上げ、田畑さんに教師として生きていけないほどの屈辱を与えました。
しかし、地裁は、提出した多くの証拠を無視し、誤った判決を出しました。

 さて、現在の高裁では、田畑さんの裁判で初めて証人採用が実現しました。これまで証人申請を却下され続けてきたのですから画期的とは言えますが、田畑さん側の証人を全く採用しなかったのは異様でした。今回は貴裁判所が正常な判断をされ、元同僚の証言により校長の虚偽が明らかになったことに感謝をしております。この上は、本当の真実に基づいた判断をされるよう、要望致します。

 中神校長は、何故このように田畑さんを虚偽を以て再雇用拒否し、更に虚偽を重ねて陥れるのでしょうか。それは、「保身」と「報復」に他なりません。田畑さんが、嘱託教員として現場に残れば、自殺隠蔽が発覚すると校長は恐れているのです。そうでなければ、あれほど多くのデッチアゲ理由で全員採用が前提の再雇用を妨害する説明がつきません。
 
 田畑さんの事件は、高齢者再雇用制度の恣意的運用による差別・選別、学校教育への介入や生徒の自殺の隠蔽など、現在重大になっている問題の発端をなす事件として、大変注目されています。

 田畑さんは捏造された理由で分限免職同様の痛みを受け、闘い始めて19年が経過しました。「人間の尊厳を取り戻す」まで闘い続けます。今度こそは、公正な判決を重ねてお願い申し上げます。           以上

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【コメント】

60歳で、定年になり、異例の再雇用拒否を受けた。相手はウソを言い続け、証拠もなく証人も申請できない。私は、証拠を沢山提出し、教え子・同僚の陳述書や証人申請を行う。
 ところが私は敗訴の連続。闘い続けて、いつの間にか79歳。これで負けたら、本当に暗黒裁判です。
 10月29日が判決ですが、結果の見当はつきません。勝てるだけの十分の書面や証拠は提出してあり、さらに証人の証言で、中神の虚偽は明白になっている、相手はそれに全く反論しない‥‥ということですから、私が勝たなければおかしいのです。でも、分かりませんね。

 皆様、この事件を周囲の方に広めて下さいませんか。 これは、私だけの個人的な問題ではないのですから。  
 教育界が生徒不在で、出世目的の虚偽がまかり通っているということですから、子どもたちがまともな教育を受けられないのです。「道徳」も入って来ますしね。自分の頭で考えることのできない人間を大量に養成すると思われます。
 旧教育基本法は「平和的国家及び社会の形成者として民主的人格形成」をうたっていましたが、安倍首相によって改悪されてしまいました。けれど、その前に、石原右翼知事が、東京都の教育目標から教育基本法を省いてしまいました。こんな石原氏に都民は300万票与えたのですからどうかしています。その石原が任命した教育委員らが「君が代・日の丸」を全国で初めて強制し、今日のような事態を招きました。
 今の教育委員らは、検定に合格した教科書を、都教委の方針に合わないからと一社の歴史教科書のみ採用しないという議決をしました。これは、裁判になっています。私も原告の一人です。  
 大阪では、橋下の下、政治による教育への介入が甚だしく、教員達がどんどん退職し、他地区や他県に移っているそうです。
東京も、そのうちそうなるでしょう。教育委員が大阪よりよくないですからね。学校に自由がない。教員への弾圧、思想の抑圧、人事考課の押しつけ、画一的指導の指示、人権無視等、それはそれは酷いのです。私だったら、耐えられないで辞めていると思うほどです。
 こういうことは、きりがないので、又の機会に、具体的にお知らせします。
                                      月食の今夜はこれにて。